自己破産には種類がある

自己破産について

種類があること、知っていますか?

少し大事な説明をし忘れていたので話をしておきましょう。自己破産と一言で言っても、実はその中身という問題でどんな自己破産をすることになるのかで全く異なってくるのです。先ほど話したメリット・デメリットを紹介しているときに少し出てきましたが、その中に『同時廃止』と『管財事件』という二つの言葉を出しましたが、この二つのそれぞれの性質によって自己破産というものは区別することができるのです。自己破産といっても性質で考えたら二つに分けることができるなんて、というのは中々自己破産に関して精通している情報を持っているか、もしくは破産をすることになる当人くらいしかその情報を手に入れられる人はいないでしょう。それ以外の人からすれば自己破産という言葉ですべての意味は定義づけられてしまいますから、まさかその先にもう一つ踏み込んだ先があるなんて、と思うでしょう。

ではこの二つにはどのような違いがあるのでしょうか、少し見てみることにしましょう。

管財事件
管財事件とは、自己破産申立開始決定と同時に裁判所から破産管財人を選任して、破産者の財産を調査・換価・処分して、債権者達に債権額に応じた配当をすることになります。こうした破産管財人を選定して手続を進める場合には『管財型の破産手続き』と呼んでいます。
同時廃止事件
一方で、同時廃止というものについてですがこちらは多重債務者に陥った方の財産が少ないため、破産管財人を選んで財産を換価しても破産手続きに必要な費用を払うことも出来ない上、配分のための費用にもならないと予想できる場合において裁判所は、破産手続きを開始する決定を下したとしても、破産管財人を選定しないですぐさまその手続を終わらせる決定をします。こういった債務者に払うべき財産を保有していない場合には自己破産を開始すると同時に破産手続きを終えてしまうことを指しています。

このようになっています。管財事件の場合には先ほど紹介した財産として所定の額以上のものとなるものがあるのであれば回収して、債権者に対して均等に配当することになりますが、同時廃止として認定された場合にはそのまま債務そのものを支払うだけの力がないと見なされてそのまま自己破産を完結させてしまうというものです。全く性質が異なりますね、どちらかといえば同時廃止は財産として認められないものばかりであるなら債務を払う能力を持っていないと見なされてしまうそうです。これを知っているだけでまた自己破産というものに対して見方が変わってきますね。

ただこの法律は改正前まではこの同時廃止事件として認定されてから一ヵ月以内に免責申立をする必要があるという決まりがありました。債務者としては非常に不利なものですね、こうしたことを考慮してか改正後の法律においては破産申立と免責申立の両方が同時に行われたと見なされた場合にはこの二つはコンビで組むことになり、免責簡略化されるようになりました。自己破産といってもこの二つのどちらに分類されるかで全く性質そのものが違いますから、この点についてもしっかりと知識を持っておく必要があります。

最近では同時廃止事件とは見なされにくい

自己破産における管財事件と同時廃止事件の二つに分けてみるとそもそもの性質が異なる点もそうですが、その後影響を受けることになる出来事も変化を生じることになります。管財事件の場合として処理された場合には所定の手続きを行なって財産として認められているものから所有を認められているもの以外は全て回収することになりますが、同時廃止の場合については原則として破産手続き開始決定を受けたとしても申立人の財産はそのままとなっており、管理処分権が消失することはありません。もしも同時廃止事件として処理された場合には多少なりとも破産者として課せられる制約を受けることになりますが、転居の制限並びに郵便物の検査といった受けるべき不利益を蒙ることはないのです。ただ気をつけなければいけないのは、財産があるにも関わらず同時廃止事件として求めてしまうと刑罰を受けるかもしれないと、また免責が認められなくなってしまうという恐れも出てきてしまいます。ここのところをうまく穴を狙っている人がいそうですが、財産を失うとしても刑罰や免責が受けられなくなってしまうということを考えたら多少なりとも楽かもしれません。正直が一番といっていいでしょう。

但しこうした同時廃止事件として処理される案件については最近は徐々に減少傾向にあります、例え財産としてみた場合『20万円以上』の財産が残っていると見なされてしまった場合には『小額管財事件』として見なされてしまい、この同時廃止事件として処理されてしまうこともあるそうです。制度自体は存在していますが、最近ではよほど困窮している状態で泣ければ同時廃止として認定されることはないのです。